この度、THE CLUBはデイヴィッド・ホックニーと福田平八郎の二人展を開催いたします。
イギリスを代表する画家であるホックニーは、1971年に初めて来日した際に京都市美術館で開催されていた「京都日本画の精華展」を訪れ、福田平八郎の作品に出会いました。この展覧会には、福田の「漣」や「新雪」が出展されており、ホックニーは、その色使いや構図に圧倒され、ロンドンのテート・ギャラリーで福田の個展を開きたいとまで話していたそうです。また、ホックニーが日本を訪れた後に描いた「ウェザーシリーズ」の「雪」や「雨」、そして水の表現や風景画には、福田平八郎の影響を見てとることができます。
絶えず遊動し続ける水面や、波紋が放つきらめき。日向と日陰で変化するヴィヴィッドな色合い。国籍も時代も違う二人のアーティストが魅せられたもの、それは自然のリズムと彩り。
ホックニーと福田は共に、日常の情景をひたすらに描き続け、その大胆な色面構成によって、限り無く抽象に近い作品を生み出してきました。目の前に何があるのかではなく、どのような色があるのか。意識を物体から色彩へと向けることで、全く新しい世界が見えてくるのではないでしょうか。
本展覧会では、iPadを用いて描かれた、ホックニーの「The Yosemite Suite」シリーズを、「花菖蒲」をはじめとした福田の代表作品6点と共に展示致します。
二人の出会いを紹介するとともに、西洋と東洋を超えた今世紀を代表するカラリストの競演をお楽しみください。