この度、THE CLUBは、猪瀬直哉の初個展「Blue」を開催いたします。
“基本的には自分の身の周りに起こる問題や様々な社会問題、環境問題を題材に絵画を描いている。絵画は言語を超えた存在であり、視覚情報により瞬時に全世界の人々と情報を共有できるツールである。“
猪瀬直哉は、自然界とそこにおける人間の強欲な在りかた、それによって生み出される不調和な関係性を探求しています。細部まで精巧な風景と、抽象的な世界を、油絵の技術によってキャンバスに描き出します。彼の作品は私たちがどのように自然と向き合っているのかを問い、またポストモダニズムにおける絵画の役割、そしてそれがどのように変化しているかについて考察します。ロマン派における風景絵画や、マーク・ロスコやバーネット・ニューマンらの抽象絵画の色面構成に影響を受け、風景のダイナミズムをキャンバスに落とし込んでいます。
現在ロンドンを拠点とする猪瀬の作品は、過去に20th DOMANI・明日展に選出され、国立新美術館や高松市美術館での展示歴があります。
本展覧会では猪瀬の原点とも言える「ブルー」をテーマに、新作と旧作を回顧展形式で展示いたします。緻密に描かれた初期の作品と、絵画的様式 (ペインタリー) に挑戦する最新作に至るまで、猪瀬は、絵画の持つあらゆる可能性を追求しています。視覚的にブルーに溶け込む、大気、空や、海に飛び込んでいく感覚という意味もあれば、メランコリックな要素もある、猪瀬直哉が描き出す青が持つ様々な表情をお楽しみください。