Nullus-ラテン語のこの⾔葉は、直訳すると零(zeo)や無(none)という意味になるが、「nullus=zero」ではなく、「nullus non(not zero)」とすることで、「全て」を意味する⾔葉になる。また、「無」を意味するプログラミング⾔語の「null」、芸術運動、グループゼロの「nul」どちらの⾔葉も、ラテン語の「nullus」を語源とする
本展覧会では、「白(非色)」が秘める無限の可能性を、3人のアーティストによる作品を通して探ります。日本を代表する陶芸家、黒田泰蔵は陶芸の枠を超えて、磁器をコンセプチュアルアートな表現へと昇華しました。一方、ヨーロッパを代表するコンセプチュアルアーティスト、ピエロ・マンゾーニは本来陶磁器に用いられる中国粘土をキャンバスに用いることで、芸術作品としての新たな手法を見出しました。そして、エンリコ・カステラーニはマンゾーニの白に魅せられ、「光の絵画」を生み出し、2人はタッグを組んで前衛美術誌を創刊します。
本展では、この3人のアーティストが独自の方法で、従来の伝統を超えた抽象世界への旅に注目します。黒田においては、シリンダーや花瓶、大皿など日常的なオブジェが抽象的な視点へと転換されます。マンゾーニは粘土を使って絵を描いた“アクローム(非色)”のシリーズで、絵画の解放を試みます。そこからさらに作家の手の介入を排し、白いキャンバスに立体性を持たせることで光の陰影を作品にしたカステラーニ。
黒田の磁器は、制作を通して身体と心の調和を追求する彼自身の旅でありました。そしてマンゾーニはアクロームのシリーズにより、物質を超越したものを探究することを意図していました。またカステラーニもキャンバス上に主観や情緒を超えた時空を作り出そうとしました。彼らの制作はいずれも、物質からの離脱を試み、その可能性を広げるために「白(非色)」を用いているということが見えてきます。
様々な形で転生する白。この全ての介入を排除する力を持った、一つの中立色によって紡がれる、西洋と東洋、3人のアーティストによる究極的な「白の世界」を本展を通して楽しんでいただきたいと願っております。
*ピエロ・マンゾーニの作品の公開は7月30日(木)までとなっております。お見逃しなきようご注意ください。
弊廊では大切なお客様の安全を考慮し、みなさまに安心して作品をご鑑賞頂けるよう、ご予約制での営業とさせて頂きます。つきましては下記のご協力をお願い申し上げます。また、スタッフは手洗消毒、マスク着用、体調管理を徹底して、みなさまのご来廊をお待ちしております。何卒ご理解賜れますようお願い申し上げます。
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